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家族、誤配、観光客―ー東浩紀さんの『ゲンロン0 観光客の哲学』

2017/08/25 09:22
 御恵送頂いていた東浩紀さんの『ゲンロン0 観光客の哲学』を読んだ。
 破産したリベラリズム、そしてその後を継ぐナショナリズムとグローバリズムの後に来るべき観光客についての思考を導き出す第一部の明快で緻密な展開に惹き付けられた。
 第二部は、独立した論文を集めたように見せながら、最後のドストエフスキー論が書物全体の結論になっているところに「誤配」の実践を見るような気がした。そもそも、哲学的な言葉が観光客について語る行為が既に「誤配」なのかもしれない。そして、観光客が「子どもたちに囲まれた不能の主体」であるところも。
 観光客、「誤配」、「家族」という概念を(もちろん「誤配」しつつ)持ってくることによって、他者論が往々にして無害というのみならず官僚的というかリバタリアニズム的なもの(?)にすらなってしまうという陥穽を避けるそのしなやかな仕草にも「誤配」的なものを見るべきか。
 このように、書物自体に様々な「誤配」が仕掛けられているように見えるところがとても魅力的だ。
 死に追いやられる単独者的なものに代替物が取って替わりに来る運動である「家族」、恐らくそのような運動が展開される「誤配」の空間、そしてやはりそのような運動を体現する観光客、これらの概念が、ナショナリズムとグローバリズム二層構造によって特徴付けられる現代世界について考える際に重要なものであることは疑い得ない気がする。
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拙著が東浩紀さんからツイッターで高評価を頂きました!

2017/04/09 18:29
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